1. 黄銅ろう溶着工法概要
黄銅ろう溶着工法は、①事前調査、②レール切削（溝切）、③余熱、④黄銅ろう溶着、⑤後熱、⑥仕上げという流れです。
- 事前調査では、施工可能なレールかどうかを確認します。
- 切削砥石を使用してレールに溝を切削します。最初は3mm幅で切削し、6mm以上の幅に広げます。
- レール温度を450℃程度まで加熱します。
- 酸素・アセチレン炎で、溝に黄銅ろうを溶着していきます。
- レールを急激に冷やさないよう保温し熱を加えながらゆっくりと冷やします。
- ろう付けの表面の凸凹を削り取り、滑らかに仕上げます。
溝切形状
2. レール組織変成との関係
使用する黄銅ろうは融点が850~1050℃で、確実にレール（炭素鋼）の変態点温度を超えてしまい、レールに熱影響が残る危険があります。
このため施工では、特に後熱の工程で注意が必要です。
また、熱影響が残る危険性があることから、本工法の適用範囲が限られています。
主な適用制限は次のとおりです。
- 熱処理レールには適用不可
- 小型レール（40kレール以下）には適用不可
- 本線レールには適用不可
