1. レール振動の再現
平成19年度に経済産業省のスタートアップ補助事業の採択を受け、公益財団法人鉄道総合技術研究所殿に振動試験機の製作を委託しました。当時の鹿児島本線での強振動区間での実振動加速度を計測し、その振動を再現する装置です。当社では、この装置を用いてボンドの耐久性を評価しています。
この装置は、鹿児島本線での強振動区間と同等の、振動加速度が平均値で1.2~1.8万Gに設定しています。鹿児島本線の場合、年間通過トン数を2,000万トン、1車軸10トンとして計算すると、1年間で200万回打撃に相当します。本装置は、毎秒20回打撃することから、200万回打撃に28時間を要し、これが鹿児島本線(通過トン数年間2,000万トン)では1年間の耐久に相当します。
2. 耐久性評価
当社では、HP式レールボンドの耐久性を28時間試験(上記条件で1年間に相当)をクリアし、その時点でのボンド溶着面の残存溶着率が60%以上(平均値)であることを目標としています*1。経験的に20%剥離進行に約10時間程度を要しますので、60%の残存溶着率であれば、計算上は脱落まで約8か月を要することになります(残存溶着率20%で脱落)。
*1 : 2007年鉄道総研・施設研究ニュース「新しいレールボンド接合法」では、200万回打撃試験をクリアするボンドはなかった。