レールボンドは、何故壊れたり脱落したりするのでしょうか?
実は、列車が通過するときにはレールには強烈な振動が発生します。振動の大きさは振動加速度で表しますが、振動の大きいところでは悠に1×10^5(m/s2)≒1万Gを超えます。民需レベルでは精々100G程度まで(JIS規格)ですから、民需レベルを遥かに超える強烈な振動が発生しています。このためレールボンドや送着ボンドは、種類を問わず、この振動を受けて次第に破壊が進むこととなります。
レールボンドの破壊は、レールボンドを構成する部位の中で、素線(導電線)切れ、素線固定部の破壊、ボンド端子の剥離といった症状を伴います。
次に、レールボンドの代表例の特徴と破壊の状況を示します。
主なボンド工法における破壊症状
低温ろう接式 ローパック式ポンド |
低温ろう接式 HP式ボンド |
溶接式 銅テルミット式ボンド |
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症状 | はんだ割れ、素線抜けによる端子崩壊 | 接合面剥離による脱落 | 素線切れ、素線接合部の破壊 |
耐久性 | 低 | 高 | 高 |
このように、どのようなボンドでもレール振動の影響を受けて破壊が進みます。
HP式ボンドの場合は、素線側に剥離が入り、剥離が次第に端子先端側に広がり、残存溶着率が20%(80%の剥離)程度まで進むと脱落します。